農民詩人、前田 新さんの新刊「詩人の仕事」

 

2015年、第一回の松川賞を受賞されたことでも知られ

最も尊敬する大先輩の一人で

町の誇りであり、宝である

農民詩人、前田 新さんが新刊の詩集

「詩人の仕事」をわざわざ贈ってくださった。

 



ご紹介したい詩はたくさんあるのですが

今回はタイトルにもなっている「詩人の仕事」をご紹介します。

 

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詩人の仕事

 

                                   われらの狂気を生き延びる道を教えよ

                                                                                  オーデン

 

ジュラ紀よりも

もっと以前

羊歯類が光合成をはじめたころを

私の遺伝子は記憶する

それは生命体が

まだ植物から動物へ

進化する以前のことだから

記憶というよりも

幻覚のような妄想だが

すべての生命体の

エネルギーは

水と大気と太陽の光で

植物体のクロロフィル

光合成によって生成する

 

私の生命体も

それによってはじまり

アメーバーから

肉食虫類を経て

哺乳類へ

そしてホモ・エレクトス

途絶えることなく

数億年にわたって継承されてきた

ダーウィンが言うように

それはたしかに

遺伝子が環境の変化に適応した

進化してきた結果だ

 

だから

すべての生命体は

銀河系宇宙から発信される

信号を受信して

解読し

あらゆる災禍の危機を凌いで

生き延びてきた

 

しかし、人類は

その進化の過程で

他のどの生命体よりも

宇宙との交信の機能を

退化させてしまった

 

資本が人類の脳に与えた

麻薬的快感によって

人類はそのシンドロームから

逃れられなくなっている

 

その人たちが

今、手にするのは

遺伝子のリンゲージを切断し

生命体を破壊する

核物質だ

その狂気の向こうには

ディストピアの光景が見える

宇宙からは危機の信号が

激しく発信されている

しかし、依存症の人の脳は

サイエンスをも資本に従属させて

それに反応を示さない

宇宙からの警告信号を

受信して人に伝達する

それは、今も昔も詩人の仕事だ

 

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このところTVでは毎日のように某宗教団体が吊るしあげられていますが、

子供のころから「お国のために働くのだ」「献金は国民の義務なのだ」

と教育を受け、メディアによるマインドコントロールによって欲望を煽られ

「金さえあれば幸せになれるのだ」と刷り込まれながら

その大半を疑問も持たずに貢続け

手に残る僅かな金で物欲を満たす快感に酔いながら

体や精神を病んでまでも死ぬまでお上に奉仕する…

 

某宗教団体を支持するつもりも擁護をするつもりも毛頭ありませんが

この日本国教、あるいは自民党教と、いったい何が違うのでしょうか ?

 

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前田 新さんの紹介

 

www.hmv.co.jp

 

 

ww5.et.tiki.ne.jp

 

 

◆新刊 / 詩人の仕事

www.coal-sack.com