青春の光と影 スズメバチとウドの花

 

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ここのところずっと、頭の中を駆け巡っている歌があります。

 

1960年代の終わりから1970年代始めのフォーク世代にはおなじみの曲の一つ

ジョニミッチェルの"Both Sides Now"

邦題は「青春の光と影」

 

僕はまだ観れていませんが、アカデミー賞作品賞を含む

主要三部門を受賞した「CODA」という映画の中で主人公が歌っていて

そのシーンをYoutubeで見聞きすることがピアノの伴奏もEmilia Jonesの歌もめちゃくちゃ素晴らしく、

noribo爺がもう少し若けりゃ、彼女に恋していたと思う。マジで(笑)

 

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更にしみじみと心に響くのが、ジョニミッチェル本人が

2022 Newport Folk Festivalで若い仲間たちと歌うこちら

80歳に届こうという彼女の 円熟した歌声をサポートする

チェロのオブリガードも、琴線をじわじわと揺すぶります。

 

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1967年、ジョニが24歳(23歳という話も)という若さで書き上げたこの名曲は

1968年ジュディコリンズによるリリースでヒットしましたが

ジョニによるオリジナル盤はこちら

 

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「青春の光と影」  (さえき奎 さん 訳)

作詞・作曲:ジョニ・ミッチェル
歌:ジュディ・コリンズ、ジョニ・ミッチェル

風になびく天使の髪
空に浮かぶアイスクリームのお城
そしてあちこちへ流れて行く羽毛の渓流
わたしはそんな風に雲をみていたわ

けれど今それは太陽を覆い隠し
雨や雪を降らせるだけのもの
やりたいことがたくさんあったのに
雲が邪魔をして来たの

今わたしは雲を両側から見つめている
上の方や下の方から、あれやこれやとね
でもそれは雲の幻影だって気がついたの
本当は雲のことなど何もわかっちゃいないんだって

めぐり来るお月様と六月  そして観覧車
くるくると目が廻るダンスみたいに
おとぎ話が本当になると
わたしはそんな風に「愛」をみていたわ

けれど今それは別のお芝居のことのように思える
舞台を下りるときは 何もかも忘れ笑って消えるの
後ろ髪引かれたって 気にしちゃいけない
自分の何もかもさらけ出す必要なんてないんだから

今わたしは愛を両側から見つめている
与える側やもらう側から、あれやこれやとね
でもそれは愛の幻影だって気がついたの
本当は愛のことなど何もわかっちゃいないんだって

涙と不安 そして誇らしい気持ちで
「愛してる」って大声で叫ぶこと
夢、陰謀 そしてサーカスの人混み
わたしはそんな風に人生をみていたわ

けれど今幼なじみたちは困った顔をして
頭(かぶり)を振りながら私が変わってしまったと言う
そう、いろいろあったからね
今日まで生きて来た間には

今わたしは人生を両側から見つめている
勝者の側や敗者の側から、あれやこれやとね
でもそれは人生の幻影だって気がついたの
本当は人生のことなど何もわかっちゃいないんだって

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幼い日に感じ、心に映った世界と

経験を重ねる中で観えてきた別の世界

そのはざまで行き交う 複雑な感情

そしてそのどちらもが時の流れと共に移ろう幻影

 

このとても哲学的な歌に当初は「あなたみたいな若い人に人生の何がわかるの?」「『両側から見ている』なんてずいぶん上から目線なのね」等などの批判があったようですが、

ジョニミッチェル始め、ジョンレノンや大好きな宮沢賢治金子みすず等々、

年齢にかかわらず物事の裏表をしっかりと見つめ

本質を「感じ取る」ことの出来る人はいます。

彼女はそれを感じる事の出来る、

とても豊かな感性と想像力を持っている人だと思います。

 

でも、物事の「光と影」には更に微妙なグラデーションの部分もあって

そのグラデーションの部分はとても見えにくくて、掴みにくくて、

自分自身でさえ…というか自分だからこそ分からない。

そんな繊細で複雑な思いをこの歌から感じます。

 

そして還暦を超えて5歳になった僕ですが

今も尚 ”I really don't know life at all”

「本当は人生のことなど何もわかっちゃいない」

 

 

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2022年8月5日撮影



キイロスズメバチの働き蜂が

ウドの花の蜜を食べています

 

同時にキイロスズメバチ

ウドの受粉を手伝っています

 

持ちつ持たれつ、彼らは実にうまくやっています

 

2022年8月5日撮影



このキイロスズメバチを、人間の一方的な視点で

「害虫」と軽々しく呼んで、すぐに殺虫剤を撒くような人は

美味しいウドの天ぷらや酢味噌和えを一生、食べちゃいけません。

 

♪ "They don't know about life at all"♪

 

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77回目のヒロシマ原爆の日