環境影響評価のデータ改ざん ?!
福島のお隣、山形県栗子山でも進む、JR東日本エネルギー開発株式会社による大規模風力発電事業計画。
イヌワシ研究会 (絶滅の危機にあるイヌワシの調査研究と保護を行う民間研究者による全国組織)の調査により建設予定地から極めて近い場所でイヌワシの巣が確認され、昨日、研究会は山形県に建設中止を求める要望書を提出しました。
・・・また「環境影響評価」のずさんさと、風力発電事業の欺瞞が露呈した。
リンクが切れる可能性が高いので、以下、コピペしておきます。
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県に要望書・イヌワシ研究会「計画中止」「計画地選定やり直し」「知事の見解」求め 山形・栗子山風力発電
2/29(木) 18:53配信
絶滅危惧種イヌワシの生息地、米沢市・栗子山で進む風力発電計画について、日本イヌワシ研究会は「建設予定地から極めて近い場所でイヌワシの巣が確認された」として、計画中止を求める要望書を県に提出した。
(須藤明子会長)「栗子山風力発電事業の中止を求める要望書を、きょう(29日)持ってきました。よろしくお願いいたします」
この計画は、JR東日本エネルギー開発が米沢市の栗子山に発電用の風車を建設し、2028年度の稼働を目指しているもの。
計画地の周辺では、絶滅危惧種のイヌワシの生息が確認されたが、事業者側は「巣は、計画地から10キロ以上離れていて問題ない」とする準備書を県などに提出していた。
しかし、日本イヌワシ研究会はこれに疑問を持ち、2023年秋、約20人で現地に入って独自の調査を行った。その結果…。
(須藤明子会長) 「巣と風力発電機との距離が、10.83キロと事業者の準備書では出ていた。確かに巣Aとの距離はこれで問題ないが、より近い所に主たるつがいの営巣地がある。巣Bですね。3キロ以内。かなり近い所にある。これが一切記載がない」 事業者側は「計画地周辺に生息するのは1つがいのイヌワシ」としているが、イヌワシ研究会の独自調査の結果、「少なくとも4~5のつがいが生息していて、計画地から3キロ以内という、ごく近い場所でも巣が見つかった」としている。
これほど近くに巣があることを、事業者側が準備書に書いていない理由については…。 (須藤明子会長) 「理由は2つに1つだと思う。1つは『巣を見つけられなかった』言葉は悪いが非常にレベルの低い調査だと思う。
もう1つは、『巣があるとわかっていて、巣Bを明記したくなかった』極めて近いので、これが明らかになると非常にまずいということで、わかっていたが、あえて少し遠い巣Aを記載した。このいずれかしか考えられない」
要望書では、県に対し計画を中止するよう事業者に勧告することや、計画地の選定をやり直すこと、そしてこの計画について吉村知事がどう考えているのか見解を示すことを求めている。 この問題の発覚後、2023年12月から独自に現地での調査を進めている
県は、今回の要望について…。
(県みどり自然課・岩月広太郎課長) 「県環境影響評価審査会では具体的なデータを基に審査することになる。今回の要望の内容を審査をする上でどのように審査会の委員に示すかは検討していきたい」 イヌワシ研究会では今後、事業を認可する立場にある国に対しても同様の要望書を提出する方針です。
ゴリラに学べ !!
昨晩、NHKアカデミア、第7回「ゴリラから見えた 人間の本質」を観た。
講師は山極壽一さん。
アフリカでゴリラ社会に飛び込んで一緒に生活し、ゴリラが「平和的に暮らすこと」に長けていることを明らかにした人類学者さんだ。
氏は、人類の祖先も本来「平和的な種」であると見る。
そこから、「なぜ人類は暴力をふるい、戦争をするようになったのか?」を考察、ひも解いていくという内容。
ゴリラのコロニーのリーダーは、己の我がままを制御する能力を身につけている。
また子育ても上手く、皆が平等に、対等に生きるための技を次世代に教育する技にも長けている。
そして共に生きるために食べ物をシェアし合うことも大切にしている。
一方、我々人類の世界は、いかがなものか ?。
タガの外れた欲望を満たすために略奪と殺戮を繰り返し続け
頭でっかちになり過ぎて何が大切なのかも分からなくなってしまった
我々、人間社会が行きつく果てがどこなのか…それは最早、明らかです。
この地球と呼ぶ一つしかない星の上で、いかに生きるべきか。
私たちはこのゴリラ達や自然界の生き物に学び直すべきではないのでしょうか。
まだ間に合うのなら…。
※こちらに文字お越ししたものがあります
「NHKアカデミア 第 7 回<人類学者 山極壽一>」pdf.
https://www.nhk.or.jp/learning/assets/pdf/D0024300107_00000.pdf
山極壽一氏
京都大学理学部卒理学博士。2020年まで第26代京都大学総長を務め現在、総合地球環境学研究所 所長。
クマタカの棲む里で

昨年秋に撮影した、我が家の上空をかすめて行くクマタカです。
時折、思い出したかのようにトツゼン、表れてくれます。
庭仕事の手を休め、我が山々を背景に
大空をゆっくりと帆翔する姿を追うとき
得も言われぬ多幸感に包まれます。
その我が家の近くの丘から会津盆地を隔て、
正面に望むことのできる会津若松市の背あぶり山にも
このクマタカの仲間が暮らしていますが
前回投稿の通り、大規模風力発電事業計画によって
危機的状況が迫りつつあります。
山形では既にこんなことが起きています。
想像してみましょう
都会へと電気を貢ぐために
無残にも裁縫箱の針刺しのようになった故郷の山々と
自然の恵み豊かな緑深き山々と
はたしてどちらが美しい景観なのか
そしてどちらの風景を次世代に手渡すべきなのかを・・・。
電子署名が始まりました。
大規模風発反対 !! てんでんこ再び イヌワシと共に !!
会津若松市で計画されているいくつかの大規模風力発電事業の開発計画に関わる重大な動きがありましたので、久しぶりの投稿です。
2月15日、友人から「計画地の近くで「イヌワシ」が確認された」旨の一報が入りました。
大型の猛禽「イヌワシ」は国の天然記念物に指定され、環境省第4次レッドリストでは絶滅危惧ⅠB類(EN)の評価。
我が国での生息数は約500羽と推定され、福島では会津の一部にしか確認されていません。
豊かな自然環境の象徴とされる生態系のトップに君臨する生き物ですが、生息数が減ってしまった要因には森林や草原の手入れ不足によって狩場適地が失われたこと。それによる餌となる動物の生息環境と生息が減少したこと。
またダム建設や林道工事などの大規模開発や、その他レジャー等の不用意な接近による撹乱(特に繁殖初期における営巣放棄)。更には農薬や鉛などの化学物質の蓄積による影響を示唆する意見もあります。つまり、いずれもが人為によるものです。
そのイヌワシが建設予定地、会津若松市の東部を南北に走る「背あぶり山」の近くで確認されたのです。
会津の歴史を語る上でも重要な「背あぶり山」には既に㈱コスモエコパワーによる8基(会津若松ウィンドファーム事業)が山頂近くに稼働しています。
計画を知った2009年当初、建設地が国によって指定された「緑の回廊」と一部重なり、また近郊の地域住民への低周波被害も懸念されたため、私たちも数名の仲間と建設反対の声を上げたのですか、力及ばず。止めることは出来ませんでした。
その後、背あぶり山周辺での新設計画が乱立。
現在、㈱イメージワンによる「会津若松みなと風力発電事業」の5基、クリーンエナジー合同会社の10基、そして前出の㈱コスモエコパワーによる「会津若松ウィンドファーム増設事業」に至っては40基の建設が予定され、近郊住民の反対の声を押し切るように着々と進められています。
その予定地はやはり前出の「緑の回廊」と重なります。
そして、確認されたイヌワシや同じく絶滅危惧ⅠB類(EN)の評価を受けている8ペア以上と推測されるクマタカの営巣、生息地とも重なっています。
昨年、会津大沼風力発電事業を食い止める大きな力となった昭和村のKさんも早速動き始めています。
私も微力ながら動き始めます。
そして「てんでんこ」に。
あいづめぐるフェスタ開催
投稿がまたまた滞りました。すいません。
で、久々の投稿は、11月13日(日)に会津坂下で行われた「あいづめぐるフェスタ」というイベントに参加しましたので、そのご報告。
尚、以下、わが奥様がしたためられた文章をそのまま借用します。
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「環境や健康に配慮したオーガニックの食や農、自然素材のモノや文化に触れることで、私たちが選ぶ日々の暮らしが、世界に、地球にどう繋がっているのかを感じよう。」というコンセプトのもと、会津坂下町でたくさんの出店、展示、ワークショップのフェスタが行われました。
森のこめらもお誘いを受け、手入れを進めているカタクリ群生地周辺で間伐(除伐)した杉を使ったワークショップ「間伐材で薪割り&火起こし体験」で参加。①丸太バランス②丸太切り③薪割り④火起こし⑤SDGsクイズ、をゲーム形式でやろうと準備しました。
初めは数人の大人が「懐かしい」「私もやってみたい」と薪割等頑張ってくれていたが、そのうち子供達が興味しんしんで集まってきました。
よし、じゃあ軍手はめて、こうやって、とのこぎりを渡したり、ちょっと刃を入れた薪を小さな斧で割ってもらったり。「切れた!」「割れた!」と笑顔が弾ける。大人はもちろん大きな斧でえいやっ、と割ってもらいました。
次は火起こし。ファイアースターターで火花を出し、ほぐした麻ひもに着火させ、杉っ葉に火がついたら成功!少し時間がかかっても、着火した時は「やった!」と歓声が上がりま。
1回やった後「またやりたい」と来てくれた子もいる。小さな子達は切った丸太を並べて遊ぶ。こちらがシナリオを描かなくても、子供達は次々にやって来て勝手に考え、思い切り遊んでくれました。もちろん元子供も。
スイッチポンではなく、どんな材料でどうやると火がついてお湯が沸いたり暖かくなったりするのか、本物の体験はリスクもある分、よけいに楽しい。大人も子供も一緒になって、木や山や暮らしのことを考えたひとときでした。
素敵な場を提供して下さり、スタッフの皆様本当に有難うございました!
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その時の模様をスライドショー動画にしました。
蓋沼の観察会と"寄生"植物 そして風力発電事業
久々の投稿です。皆さんお元気ですか ?
さて今日は、福島県指定天然記念物である「蓋沼の浮島」で知られる町内の蓋沼森林公園で、5組のご家族と「小さな秋みつけた」をテーマに自然観察会を行いました。
秋にはまだちょっと早いですが、台風一過の、とても気持ちの良い青空の下、「カモフラージュ」や「フィールドビンゴ」などのネイチャーゲームを楽しみながら、オツネントンボ、アキアカネ、ノシメトンボなどのトンボ類、サカハチョウ、キタキチョウ、ヒョウモンチョウなどの蝶類、ワレモコウ、ヨメナ、オオオナモミ、ヌスビトハギ、イヌタデ、ヤマハッカ、コシオガマ、サルトリイバラ、ツルリンドウなどの植物、ガマズミ、イタヤカエデ、クルミ、ホオノキ、実をつけたリョウブの樹木やキノコ類などを観察、この時期ならではの蓋沼周辺の自然界の生命の営みを観察しました。




観察会の途中で出会ったコシオガマの花

コシオガマは単独でも光合成の能力を持っていますが、条件的半寄生植物と呼ばれ、宿主の植物(特定の寄生主は選ばない)が近くにいる場合には寄生をし、宿主からの水分や養分によって生育します。
コシオガマのような「半寄生性」は植生遷移の初期段階の草原地のような環境下で、水分や無機養分をめぐる地下部の競争の結果、進化してきた形質の一つだと考えられていて、実際、日当たりの良い草原のような環境を好み生息しますが、農山村の生活の変化による草原のような環境の全国的な減少によって、日本各地で希少種の指定を受けていて、東京都では絶滅危惧Ⅰ類となっています。
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さて”寄生”つながり…というワケでもありませんが
昨日 (9/24)、福島民報のトップを
“撤回相次ぐ風力発電計画”丁寧な合意形成必要「環境アセスに課題」
という記事が飾りました。

文中、東北大学教授、中田俊彦氏(東北大学教授 東北大学大学院工学研究科・工学部 技術社会システム専攻 先端社会工学講座. エネルギー環境社会マネジメント分野)による「再エネを推進するうえで、日本の仕組みは時代に合っていない」という意見を取り上げ
”教授は、地元反発による撤廃事案が発生する背景に環境アセスの構造的な問題を指摘する”
“教授によると現制度は事業実施を前提とする仕組みだ”
という一文があり、全くその通り…なのですが、その指摘は僕の在籍する日本自然保護協会を始めとする環境保護団体や弁護士団が予てより指摘をしてきたことです。
尚、前出にあるように、そもそもが企業に有利な建付けの制度なので、僕らは「環境アワスメント」と揶揄してきました (※EICネットの環境擁護辞典には「環境用語」として紹介されています。(笑)
と、"今更"感は否めないのですが、それはさて置き、更に文中
“企業側の担当者は「周辺の自然環境について想定以上に地域の皆さんが強い思いを持っていた。その思いを把握できなかった」と打ち明ける”
とありますが、企業側の、この"とんちんかん"な反省らしき言葉からも「再エネ」の本来あるべき意味と、なぜ我々が反対をするのかという事が理解できていないというコトがよーく分かります。
この程度の認識で「地球環境にやさしい自然エネルギー」だ「エコエネルギー」などと、よく言えたものだと、呆れております。
尚、文の最後には
“こうした問題の解決に向け、国も地域と共生した再エネ施設拡大の在り方を検討している”
そして関係省庁の有識者会議は
“地元での説明会の義務化などを盛り込んだ提言案をまとめた”とあります。
というワケでやつらは「東北”寄生”金ヅル作戦」を諦めたわけではありませんね。
会津もまだまだ油断の出来ない状況であります。



